昨日、「最新最高峰のAIは何か」を追わなくてもいいよなんてことを書いていて、ふと思い出したことがある。それは…
「そういや俺、AIは複数併用しているよな」ということ。
一つに絞り込んでいないし、むしろ一つに絞り込むことを避けているところすらある。なんでだろう…と振り返ってみると、半年間、PythonコードでのプログラムをAIだけで作ろうと四苦八苦した結果、そうなったんだなということを思い出した。
もし、AIを絞り切れずにあれこれ迷っている最中の方がいれば、ぜひ参考にしてみてほしいな、ということを書きたいと思う。
このスタイルを基本にしたほうが生産性は上がると思うので。
AI複数活用を奨めたい理由
AIにまだ残っている二つのネック
どのAIが良いのだろう、と考えてあれこれ試してみた結果思うのが、今の段階ではAIには次の二つのネックがあるということ。
- ちょいちょい間違える
- 得意な部分がちゃんと違う
この二つ。いわゆるハルシネーションという、間違った回答を出すことがAIにはある。精度が上がっているとはいえ、まだまだその傾向は消えない。
あと、得意としている部分が微妙に違う。使ってみてそう感じることが多い。ある質問はgeminiがすごく良い回答をしてくれるのに、コードを作るとなるとGPTが良い、なんてことは普通にある（この逆も普通に起きる）。
一つに絞り込むと、それらのデメリットも抱えることになる。そのデメリットが、どうしても実用での壁となる。だから、AIを一つに絞り込むという選択肢は、あまり賢明ではないと思う。
得意分野の違いが生む実務的な困りごと
AIという枠を取っ払って日常に置き換えてみると、一つに頼り切るという選択肢は、あまり良くない結果になることがあるという認識が広がっていると思う。
例えば病院。一つの病院に全てを任せるのもいいけれど、複数の病院で診察をしてもらうセカンドオピニオンという考え方も、市民権を得てきている。
例えば何かの依頼。業者を選ぶ際に一社だけを頼りにするより、相見積もりを取って条件の良いところを探すというのも、上手な買い物の仕方として定着している感もある。
これらは、一つに絞るよりも複数の意見や考えを聞くという行動が、良い結果につながりやすいということでもあると思う。それってAIでも同じだと思うんですよね。
AIも一つに絞り切るよりも、複数のAIを同時に活用する。そうすることで誤答を減らし、不得意部分を消すという効果を得やすくなる。
複数AIの併用が解決策になる理由
その時々でどのAIが良いのかは変わるので、あくまでこれはこの記事を書いている段階での話ではあるけれど、GPTとgeminiを併用していれば大抵のことは何とかなる、というのが僕の実感です。
どちらかではなくて、併用です。
ちゃんと調べたいことがある。そんな時はGPTにだけ聞くのではなくて、同じ質問をgeminiにもする。そうして返ってきた答えを読む。本質的な部分はどちらでも同じ回答が返ってきているので、そこだけを意識する。他の部分は補助的に参考にする。そんな意識です。
応用的に、GPTに質問して返ってきた答えをgeminiに渡して質問してみる、というやり方もあります。
AについてGPTに聞く→その回答を今度はgeminiに「Aについてこんな回答があるが、あなたの見解を聞かせて」と聞いてみれば、評価してくれます。良いと思うなら良いと言ってくれるし、抜けや漏れがあるとそれを指摘してくれます。
GPTとgeminiで持っているアルゴリズム（といえば良いのかな？）が違うためか、同じ質問でも違った視点を持っていることがあるように感じますし、二つのAIでダブルチェックをしているようなものですから、ひと手間挟むことで回答の精度が一気に良くなります。
そんなわけで・・・
AIを併用活用するほうがいろいろと助かる場面が多いな…と感じています。
もっと進化すれば、一つのAIで十分有用な回答が一発で返ってくる、なんてこともあるのでしょうけど、今の段階だと併用してひと手間かけるぐらいのやり方が、一番良い回答を得やすくなるな、と思っています。
ぶっちゃけたことを言うと、AIを使うなら１つにしなければいけないというルールはないのに、「どれが一番いいんだろ？」という選択の罠のようなものに、多くの人がはまっている気がします。
さらに言えば、「併用してください」なんてことを開発側の人間がそうそう口にできないはずです。自社からすれば「他社製品をアピールするなんて！」というところですからね。
だから思っている以上に併用推奨の意見が少ないように感じるが、実際、うまくいく仕組みは並列をどこかに抱えている。グーグルが成功した理由も処理を並列で複数のコンピューターにやらせていたためだしね。並列をうまく使うのが仕組みづくりは大切だと思う。
そんなこんなで、併用している人って意外と少ないんじゃないかな？と思いますし、「どれが一番いい？」なんてことで比較して優劣を決める必然性は、一般ユーザーにはないと思うので、よければ参考にしてみてください。
