多読の効果と読書量との関係に関する一考察

論文

「多読の効果と読書量との関係に関する一考察」

項目 精読 (Intensive Reading) 多読 (Extensive Reading)
読書態度 分析的、詳細な文法・語彙の理解を重視 全体的な意味を把握しながら、流れるように読む
教材の選択 教師が指定した複雑な教材 学習者が選ぶ易しい教材
読書量 少量 大量(最低10万語、効果が大きい場合は50万語)
目的 文法や語彙の精緻な理解、試験対策に最適化 読む速さの向上、語彙力増加、読解力全般の向上
効果 読解力や文法力の強化 読書速度や語彙力に顕著な効果が見られる

多読の効果が明確に現れるためには最低10万語以上、多くの場合50万語近くの読書が必要であると結論付けています。

読書量が効果に直結するだけでなく、短期間で集中的に読むか、長期間で継続的に読むかの方法も重要です。特に、語彙力や読む速さに対して多読が大きな効果を発揮する一方で、読解力の向上にはより長期的で多量の読書が必要であることが示されています。

また、多読の定義が一貫しておらず、研究間での基準の違いが指摘されています。そのため、今後の研究では読書量の記録方法や測定基準の統一が必要であり、個人差や教材の難易度も考慮すべき課題とされています。

https://rp-kumakendai.pu-kumamoto.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/1044/1/2204_yoshi_65_76.pdf

Yoshii, Makoto. 「多読の効果と読書量との関係に関する一考察」. 熊本県立大学文学部紀要 第22巻 (2016): 65-76.

参照記事
https://takmon.net/read-deeply-read-shallowly-4089.html

 

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