「速読は有益か」(日本読書学会、『読書科学』第56巻第3-4号、2015年)
項目 | 速読 | 精読 |
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定義 | 短時間で文章全体の要点を把握するために読む手法。 | 文章を丁寧に読み、内容を深く理解し、記憶に残すことを目的とした読み方。 |
目的 | 情報処理の効率化、仕事や学習で必要な情報を迅速に収集。 | 詳細な理解、新しい知識や概念を深く学習するために有効。 |
効果 | 全体の要点把握が迅速になり、より多くの情報を短時間で処理可能。 | 語彙や内容の深い理解、記憶の強化に役立つ。 |
欠点 | 理解が浅くなる場合がある。 | 時間がかかり、多くの情報を処理するのには不向き。 |
適用シチュエーション | 新聞、業務文書、実用書のように必要な情報が明確でスピーディに処理したい場合。 | 学術書や小説のように細部の理解や記憶が求められる場合。 |
- 速読と精読にはそれぞれ明確な利点と用途があるため、読む対象や目的に応じて適切に使い分けることが重要である。
- 本研究では、速読のスキルが特に実用書や業務文書など「効率化」を求められる対象で有益であると示された。一方で、精読は学術的な内容や新しい知識の学習において重要性が高い。
- 速読スキルの習得を目指す際は、読書の種類や目的に応じた訓練方法が必要であると結論付けられている。
速読は有益か
J-STAGE
森田愛子.「速読は有益か ― 速読に対するニーズの調査 ―」『読書科学』第56巻第3・4号(2015年):113–123。
参照記事
速読が良いのか精読(遅読)が良いのか
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