「複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係」(日本教育心理学会、『教育心理学研究』第63巻第3号、2015年)
項目 | 速読 | 精読 |
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定義 | 多くの文章を短時間で読むことを目的とし、全体の要点を把握する手法。 | 文章を丁寧に読み、詳細な理解と語彙の習得を目指す手法。 |
目的 | 読解速度を向上させ、情報処理を効率化する。 | 内容を深く理解し、新しい語彙を学習する。 |
効果 | 読書量の増加が語彙力や文章理解力の向上に貢献する。 | 語彙力と文章理解力の相互促進的な関係を強化する。 |
利点 | 要点の迅速な把握 短時間で多くの情報を得る |
内容を深く理解 新しい語彙や概念の習得 |
欠点 | 理解が浅くなる場合がある。 | 時間がかかり、多くの情報を処理するのに不向き。 |
適用シチュエーション | 概要把握や短時間での情報収集が求められる場合。 | 詳細な内容や新しい概念を学習する必要がある場合。 |
速読と精読がそれぞれ異なる目的と役割を持つことを示しており、両者のバランスが重要であると結論付けている。
速読は短時間での情報収集に有効であり、精読は語彙力や文章理解力を深めるために不可欠です。特に日本の小学生における読書量、語彙力、文章理解力の相関関係を明らかにすることで、教育現場での具体的な読書指導の改善に役立つ知見を提供している。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/63/3/63_254/_pdf/-char/ja
猪原敬介、上田紋佳、塩谷京子、小山内秀和「複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係 ―日本人小学校児童への横断的調査による検討―」『教育心理学研究』第63巻第3号(2015年):254-266。
参照記事
速読が良いのか精読(遅読)が良いのか
読書をする上で一つのジャンルを深堀するべきか、幅広く読むべきかで迷いがあったので、先日それを調べてみた。結論として、読む目的で変えるべきだよ、得られる効果が違うからねってことが分かった。では、そのうえで、1冊1冊の読書スピードはどうなのか。...
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