精読 速読

論文

「精読 速読」(日本読書学会、『読書科学』第22巻第1号、2019年)

項目 精読 速読
定義 タイトルから内容を予測し、語彙や表現の確認、段落ごとの読み、内容確認を丁寧に行う読み方。 辞書を使わずに短時間で文章を読み、主要な情報や要点を迅速に把握する読み方。
目的 新しい語彙や表現を習得し、内容を深く理解する。 情報を短時間で効率よく処理し、全体の概要を把握する。
プロセス ・ 語彙と表現を確認する。
・ 段落単位で意味を理解する。
・ 全体の内容をしっかり確認する。
・辞書を使わない。
・1,000~2,000字の記事を5分以内で黙読。
・要点を考慮しながら読む。
利点 ・ 語彙力が増える。
・ 新しい表現を確実に習得。
・ 内容を深く理解できる。
・大量の情報を短時間で処理可能。
・読解速度が向上。
・実用的な情報処理能力を高める。
欠点 ・ 時間がかかる。
・ 大量の情報を効率よく読むのには不向き。
・詳細な情報やニュアンスを見落とす可能性がある。
・理解が浅くなることがある。
適用シチュエーション 新しい言葉や難解な内容を深く理解したいとき。 主要な情報を短時間で把握し、全体の概要を知りたいとき。
学習者の評価 語彙力向上に役立つと評価された。 速読に対する有効性が確認され、速読の基礎練習の強化を望む意見があった。
  • 実践を通じて、速読と精読はそれぞれ異なる目的に役立つと結論付けています。
    • 精読: 語彙力の向上と新しい表現の習得に有効。
    • 速読: 短時間で多くの情報を処理し、効率的な読解能力を高める。
  • 学習者にとって語彙学習の重要性が課題として浮かび上がりました。また、精読と速読を組み合わせる授業の実践が、学習者の読解力向上に役立つ可能性を示唆しています。
  • 統計データのさらなる収集が必要であり、語彙学習の指導方法に改善の余地があると結論付けられました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jlem/22/1/22_KJ00009846938/_pdf/-char/ja
渋谷きみ子「中上級の読解指導 ― 精読から速読へ ―」『日本語教育方法研究会誌』第22巻第1号(2014年):74-75。
参考にしている記事
https://takmon.net/speed-reading-thorough-reading-4088.html

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