「現代文授業における多読」(『小山工業高等専門学校研究紀要』第40号、2010年)
項目 | 多読(速読) | 精読 |
---|---|---|
定義 | 数多くの文章を速いペースで読むことを目的とし、全体の内容を把握する読み方。 | 文章を細かく丁寧に読み、深い内容理解を目指す読み方。 |
目的 | 読書速度を上げる、文章全体の要点を把握する、読書意欲を高める。 | 細部まで正確に理解する、文章の内容や意図を深く把握する。 |
教材 | 学習者が選んだ易しい文章や、教科書内の複数の教材。 | 教師が選んだ教材、難解な文章や深い内容のもの。 |
速度 | 速く読むことを重視(全体を素早く把握)。 | ゆっくり読むことを重視(詳細な部分まで理解)。 |
分量 | 多くの文章を読む(幅広いテーマに触れる)。 | 少ない文章を読む(テーマを深く掘り下げる)。 |
利点 | ・ 読解スピードが向上する。 ・ 読書に対する興味・意欲が高まる。 ・ 多くの情報を得られる。 |
・ 内容理解が深まる。 ・ 詳細な知識や考え方を学べる。 ・ 問題解決能力が向上する。 |
欠点 | ・ 内容の理解が浅くなる場合がある。 ・ 学習者の負担が増えることがある。 |
・ 時間がかかる。 ・ 情報量が限られる。 |
- 結論: 多読(速読)と精読のどちらか一方だけでは不十分であり、両者を効果的に組み合わせた授業が必要である。多読は読書速度や意欲を高める一方、精読は内容理解を深めるために重要である。
- 提言: 多読では適切な教材の選定が不可欠であり、精読とのバランスを取ることで、学習者の能力向上に寄与する。具体的な教材選択や授業展開の工夫が今後の課題である。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oyama/40/0/40_1/_pdf/-char/ja
井上次夫.「現代文授業における多読 ― 教科書教材を生かす ―」『小山工業高等専門学校研究紀要』第40号(2008年):1-12。
参照記事
速読が良いのか精読(遅読)が良いのか
読書をする上で一つのジャンルを深堀するべきか、幅広く読むべきかで迷いがあったので、先日それを調べてみた。結論として、読む目的で変えるべきだよ、得られる効果が違うからねってことが分かった。では、そのうえで、1冊1冊の読書スピードはどうなのか。...
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